これからの企業成長の鍵「ウェル・ビーイング」とは?

こんにちは。あかね社会保険労務士法人です。

昨今、「ウェル・ビーイング」や「リスキリング」といった言葉が人事労務のキーワードとして注目されています。

これからの企業成長には、従業員一人ひとりが心身ともに良好な状態で能力を発揮できる「ウェル・ビーイング」の向上が不可欠です。

今回は、厚生労働省の公表資料も踏まえながら、ウェル・ビーイング向上の意義と、その実践手段としてのリスキリング、さらに助成金活用について解説いたします。

 

■1.「ウェル・ビーイング」が求められる背景

厚生労働省は、労働経済の分析等において、就業面からのウェル・ビーイング向上の重要性を指摘しています。

その背景には、日本で顕在化している以下の課題があります。

・少子高齢化による労働力人口の減少
・人手不足の深刻化
・働き方や価値観の多様化

こうした状況下で、単なる労働時間の削減にとどまらず、一人ひとりの満足度や働きがいを高める「ウェルビーイングの向上」が、企業の成長を支える鍵として期待されています。

 

■2.ウェル・ビーイングと生産性の関係

厚生労働省の分析では、就業満足度の高い労働者ほど、仕事への意欲やパフォーマンスが高い傾向が確認されています。

また、人的資本投資(教育訓練など)を行っている企業ほど、労働生産性が高いというデータも示されています。

つまり、

・ウェル・ビーイング向上 → 労働意欲・能力発揮の向上
・人的投資 → 生産性向上

が相互に作用し、企業成長につながる構造となっています。

 

 

■3.ウェル・ビーイングを支える柱①「リスキリング」

厚生労働省は、人への投資の中核としてリスキリングの重要性を強調しています。

実際に、同省の調査では、自己啓発や教育訓練を行った労働者は賃金上昇率が高い、リスキリング実施者は正規雇用への移行確率が高いといった結果が示されています。

これは、リスキリングが単なるスキル向上にとどまらず、処遇改善やキャリア形成、ひいてはウェル・ビーイング向上に寄与する施策であることを示しています。

 

 

■4.ウェル・ビーイングを支える柱②「多角的な人への投資」

一方で、ウェル・ビーイングの向上は、リスキリングだけで実現できるものではありません。厚生労働省も、複数の施策を組み合わせて取り組む必要性を示しています。

具体的には、以下のような取り組みです。

・柔軟な働き方の実現(テレワーク、労働時間の適正化)
・多様な人材の活躍支援(女性・高齢者・育児・介護との両立)
・健康確保・増進(産業保健、メンタルヘルス対策等)

これらの取り組みは、いずれも「働きやすさ」を高める重要な施策です。しかし、制度や環境を整えるだけでは十分とはいえません。

 

例えば、テレワークを導入してもITスキルが不足していれば業務効率は上がりません。また、多様な人材が活躍する職場では、それを活かすマネジメント力が求められます。

つまり、これらの施策を機能させるためには、それを支えるスキルの習得が不可欠です。このとき重要になるのが、「リスキリング」です。

リスキリングは、単なる教育施策ではなく、柔軟な働き方や多様な人材活用といった取り組みを現場で実現するための“土台”となるものです。そのため、ウェル・ビーイング向上に向けた施策は、環境整備とリスキリングを一体で進めることが重要といえます。

 

 

■5.リスキリングを後押しする「人材開発支援助成金」

前章のとおり、ウェル・ビーイング向上に向けた各施策を実効性あるものにするためには、リスキリングの推進が不可欠です。

しかし実務上は、教育訓練にかかる費用や、訓練期間中の賃金負担がハードルとなり、十分に取り組めていない企業も少なくありません。

こうした課題に対応するため、厚生労働省は「人への投資」を政策的に強化しており、その中核となる制度が「人材開発支援助成金」です。

 

本助成金では、

・事業展開等リスキリング支援コース
・人への投資促進コース
・人材育成支援コース

などを通じて、企業が実施する教育訓練に対し、訓練経費や訓練期間中の賃金の一部が助成されます。

特に近年は、デジタル人材の育成や従業員の自発的な学び直し支援など、時代の変化に対応した内容へと拡充されています。

これにより企業は、コスト面の負担を抑えつつ、ウェル・ビーイング向上と生産性向上の基盤となるリスキリングを、より実行しやすくなっています。

 

 

■6.おわりに

厚生労働省の各種データからも明らかなとおり、

・ウェル・ビーイング向上
・リスキリング(人への投資)
・生産性向上

は、それぞれが独立したものではなく、相互に関連し合う経営課題です。

重要なのは、これらを単発の施策で終わらせず、経営戦略として統合的に推進することです。

「自社でどこから取り組むべきか分からない」
「助成金を活用したいが手続きが不安」といったお悩みがございましたら、ぜひ当法人までご相談ください。

各企業様の状況に応じて、厚労省施策を踏まえた制度設計から助成金申請まで、実務に落とし込んだ支援をさせていただきます。

社員が生き生きと働き、企業も持続的に成長する――その実現に向け、ぜひ一緒に取り組んでまいりましょう!

 

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