あかね図書室日記:『日本国憲法と昭和政治史』
2026.02.27
あかね図書室
「あかね図書室日記」は、スタッフが読んだ本を通じて学びを共有するコーナーです。
専門性・人間力・組織力を大切にする私たちが、本から得た気づきを少しずつ言葉にしています。

◆書籍:日本国憲法と昭和政治史/中川直毅/三恵社
◆ジャンル:専門力
◆投稿者:山口 夕加里
◆読んだきっかけ
事務所で職員全員に配布いただいたこと。
◆内容紹介
作者の方が大学の先生で、憲法の授業で教科書として使用されているとのことです。それ故か、ボリュームはあるものの、読みやすく書かれています。
①日本国憲法の概要と解説
日本国憲法について、条文それぞれの内容・意味することの解説に加え、現在のものに至った経緯や判例も交えて分かりやすく解説されています。憲法が制定された当時のGHQの思惑や日本人の願いも伺え、現在の憲法について考えさせられます。
②日本の近代史概要
大正デモクラシーから大東亜戦争を経てサンフランシスコ講和条約までの歴史の概要が説明されています。
①を読んでいる過程で、もう一度近代史をおさらいしたくなりますので、まさに至れり尽くせりです。
③現在の日本国憲法とポツダム宣言
巻末に付録としてついています。
①②を読む際、元々どういう文章であるのかを知りたくなりますので、参照するのに便利です。
◆感じたこと、気づき
これまでの日本の歴史の中で、「よくぞ他国から侵略されなかった」と思うタイミングは、複数あります。
何故、他国から侵略されなかったのか調べてみたところ、理由の一つとして、当時の日本人の識字率や計算能力が諸外国と比べて格段に高かった為、侵略が困難と判断されていたようです。
国民全体のレベルが高いということは、それだけで諸外国にとって脅威なのです。私たち一人一人が、今現在よりもほんの少し賢くなることが、国を守ることに繋がるのです。
次に、アリストテレスは、「政治学」の中で「民主政治」について、ポピュリズムの弊害があることを記述しています。簡単に言えば、民主制に於いて、主権者である民衆が愚かであれば、民主政治の質が下がってしまうというものです。
上記のことから、現代を生きる私達がどのように他国との差別化を図れるのかを考えますと、「自国の歴史から学ぶとともに法律を知り、各々が私利私欲に走らずに中長期的な視点で物事を判断することにより、健全な民主制を保つ」ことを目指すのが、理想に思えます。ところで本書は、この方向に一歩踏み出す為の取っ掛かりとして、最適な書に思います。読むのに少々時間を要しはしますが、読んでいただく価値のある一冊です。

