あかね図書室日記:『すらすら読める新訳 君主論』

『あかね図書室日記』は、スタッフが読んだ本を通じて学びを共有するコーナーです。専門性・人間力・組織力を大切にする私たちが、本から得た気づきを少しずつ言葉にしています。

すらすら読める新訳 君主論

◆書籍:すらすら読める新訳 君主論 / マキャヴェリ著・関根光宏訳)/ サンマーク出版
◆ジャンル:組織力
◆投稿者:川向 佐奈

◆読んだきっかけ

弊社の執務室にあるのを発見し、「すらすら読める新訳」という言葉に惹かれ、これならすらすら読めるかもしれないと思って手に取ってみました。訳が分かりやすく、500年以上前に書かれた本とは思えないほど、現代の組織や仕事にも通じる考え方が多く、興味深く読むことができました。

◆内容紹介

本書は、イタリアの政治思想家マキャヴェリが、国家を治める君主に向けてまとめた政治論です。
君主と聞くと、昔の考え方・特別な立場の人のための本のように感じますが、内容は現代の組織運営やマネジメントにも応用できる考え方が数多く散りばめられています。
人の感情や利害、状況を理解したうえで判断することが重要であり、現実を見据えた行動が求められるという考え方は、どの時代・どんな文化・どんな価値観であろうと、本質的で普遍的なことです。だからこそ、500年経とうが、愛読書として引き継がれているんだろうと思いました。

◆感じたこと、気づき

読んでいて感じたのは、君主論は決して経営者や管理職だけが読む本ではないということです。むしろ、組織の中で働く一人の社員だから、学べることが多いように思いました。
私たちは仕事をしていると、こうすればいいのに!と理想を基準に物事を考えがちです。まさに私がそうですが…。
大概は、現実は理想どおりには進みません。人にはそれぞれ異なる立場や事情があり、感情や利害が判断に影響することもあります。本書は、そうしたことを否定するのではなく、まず現実を正しく見ることが大切だと説いています。
また、本書では時代や状況に応じて判断を変えることの重要性も繰り返し語られています。これまで正しかった方法が、これからも正しいとは限らない。過去の成功体験に固執するのではなく、判断基準をも考え続けることが、組織の中で働く一人の社員にも求められているのだと思います。

正直、君主論というと、目的のためには手段を選ばない!俺についてこい!みたいな体育会系のイメージだけが先行していました…。ですが、しっかり読んでみると、人間や組織の本質を冷静に見つめて、変化する現実の中でどう判断するかの視点が散りばめられた素敵な本だなと感じました。少し視点や視野を広げて物事の背景や本質を考える。そんな姿勢を持ち続けることが、組織人としてや一人の人間としても成長につながるのではないかと感じています。