あかね図書室日記:『これからの生き方。』
2026.08.12
あかね図書室
『あかね図書室日記』は、スタッフが読んだ本を通じて学びを共有するコーナーです。専門性・人間力・組織力を大切にする私たちが、本から得た気づきを少しずつ言葉にしています。

◆書籍:これからの生き方。/北野 唯我/世界文化社
◆ジャンル:人間力
◆投稿者:川向 佐奈
◆読んだきっかけ
この本は、私にとって少し思い入れのある一冊です。初めて読んだのは、前職に在籍していた頃でした。
当時、自分はこれからどうしたいのだろうとキャリアについて迷っていた時期でした。
特に悩んでいたのが、ゼネラリストとスペシャリスト、どちらを目指したいのだろうということ。
前職は、どちらかというとゼネラリストとして幅広い経験を積んでいく組織でした。それ自体は多くの経験ができる環境だった一方で、自分はこの先、何か一つの専門性を突き詰めていきたいのではないかと、どこかもどかしさを感じることもありました。
そんなときに、自分のキャリアについて考えるヒントがあればと思い、手に取ったのがこの本でした。
それから時間が経ち、今回久しぶりに読み返してみました。読み始めると、当時この本を読んでいたときのことが思い出されました。
そして、あの頃も、こんなことで悩んでいたなと少し懐かしく感じると同時に、改めて今の自分のキャリアについて考えるきっかけになりました。
◆内容紹介
本書では、これからの時代を生きていくうえで、どのようにキャリアを考え、どのように自分の人生をつくっていくのかについて、さまざまな視点から書かれています。
どんな仕事をするのか・どんなキャリアを歩むのかという話だけではなく、その前提として、自分は何を大切にしたいのか・何のために働くのかという、自分自身の価値観について考えさせられる内容です。
キャリアというと、資格、役職、年収、専門性、経験など、目に見えるものを考えがちです。しかし、それらを手に入れた先、自分はどうなりたいのかまで考えることが大切なのだと、本書を通じて感じました。
◆感じたこと、気づき
久しぶりに本書を読んで、まず思ったのは、20代後半から30代前半は、キャリアについて悩みやすい時期なのかもしれないということです。
仕事にも慣れてきて、ある程度できることが増えてくる。一方で、このままでいいのだろうか、この先に何を専門性にしていけばいいのだろうか、自分は何を目指したいのだろう、と考えるようになる。私自身も、まさにその時期にこの本を手に取りました。
当時は、ゼネラリストか、スペシャリストかという二択で、自分のキャリアを考えていたように思います。ですが、今読み返してみると、そもそもどちらになるかを決めることが一番大切なのではないのだと感じました。それよりも大切なのは、自分は何を大切にしたいのかということ。
仕事は自分の人生の中で、どのくらいの優先順位なのか。仕事を通じて、何を実現したいのか。どんな人と関わりたいのか。どんな価値を提供できる人になりたいのか。
そう考えていくと、ゼネラリストかスペシャリストかという問いも、自分がどうありたいのか、を考えるための一つの手段なのだと思えるようになりました。
また、今の自分の仕事に置き換えて考えてみると、さらに考えさせられました。
私たちは社労士法人なので、社労士資格を取得するということは、一つの大きな目標になります。
ですが、もちろん、資格を取得したらそれで終わりではありません。
資格を取得したその先に、どんな活躍をしたいのか。企業とどのように関わっていきたいのか。また、労務の専門家として企業の課題を解決できる人になりたいのか、それとも、経営者や従業員に寄り添いながら、人や組織のより良い未来を一緒につくれる人になりたいのか。
資格や肩書きそのものではなく、その先に何を実現したいのかを考えることが、これからのキャリアを考えるうえで重要なのだと思います。
これは社労士に限った話ではありません。何かの資格を取る、役職に就く、できる仕事を増やす、専門性を高める。そうした目標の先に、自分は何をしたいのか、そこまで考えて初めて、自分にとってのキャリアになるのではないでしょうか。
キャリアに悩んでいた頃に読んだ本を、3~4年経ってからもう一度読む。すると、同じ本なのに、当時とは違うところが心に残りました。
それだけ自分自身の環境や考え方も変わってきたのだと思います。これからも、仕事以外のものも含めて、自分にとって大切なものをどうバランスさせていくのか。その時々で立ち止まりながら、自分はどう生きたいのかを考えていきたいと思います。
何になるかだけではなく、何のために、どうありたいのか。以前の自分が悩んでいた問いに、今の自分なりの答えを少しずつ見つけていく。
そんなことを考えるきっかけをくれた、思い出深い一冊でした。

