あかね図書室日記:『新標準の就業規則』
2026.06.15
あかね図書室
『あかね図書室日記』は、スタッフが読んだ本を通じて学びを共有するコーナーです。専門性・人間力・組織力を大切にする私たちが、本から得た気づきを少しずつ言葉にしています。

◆書籍:新標準の就業規則/下田直人/日本実業出版社
◆ジャンル:専門力・組織力
◆投稿者:山口 夕加里
◆読んだきっかけ
事務所内で「下田先生の本が、チーム作りに注力されていて面白い」と勧められたため。
◆内容紹介
作者は、社会保険労務士の方です。
「企業と従業員が、良好なパートナー関係を構築できるような仕組みづくり」を重要視されておられる内容であることが、特徴です。
特筆すべきは、就業規則を作成する際のプロセスについて、大切にされている点です。
会社の会計情報を従業員に開示したり、服務規定などの具体的行動を定めるものについては、従業員と一緒に考えたりすることにより、労使が同じ方向を向くようにし、従業員の就業規則への理解度や受け入れ度を高めることを目的とされています。
◆感じたこと、気づき
今回は、社労士事務所らしく、就業規則に関係する本のご紹介です。
私は、これまで労使トラブルが起こった場合に、就業規則が助けになることを重要視して、就業規則のコンサルを行っており、弁護士先生が書いておられるような、リスク回避型のものを参考にしてきました。
しかし、リスク回避に注力した就業規則について、個人的には、良いと思う部分ばかりではなく、「果たしてこれで良いのか」という疑問を持つ部分もありました。一例を挙げると、細かい服務規定については、スカートや靴下の丈を細かく数値で定めているような、厳しすぎる校則に対する違和感のようなものを抱いていました。
下田先生の本を読んだ際に思い出したのは、自身の母校の校則です。私の母校は、かつて細かい校則が沢山あったらしいのですが、ある時、先輩方が、自分達で案を作成したものを学校側と協議して、かなりコンパクト化したものに改定しました。結果、生徒達が「自分達で作った校則」という意識を持つことにより、校則が守られるようになったとのことです。実際、生徒側の目から見ても、納得できる内容で守りやすいものになっていたため、私達の代でも、まあまあ守られていたと記憶しています。
正直に白状すると、「自分が実際にコンサルする場合、流石にここまで対応する(もしくは、顧問先に対応してもらう)のは、難しいだろうな」と思う部分もあるのですが、今後のコンサル対応について、考えさせられる内容の本でした。
「企業と従業員が、良好なパートナー関係を構築できるような仕組みづくり」を目指したいと思われる経営者の方には、是非ともお勧めしたい一冊です。

