社労士の顧問料相場|従業員数別の目安と料金に含まれる範囲の見分け方
2026.09.22
労務コラム
社労士の顧問料は「従業員数」と「業務範囲」で決まります
社労士に仕事を依頼するとき、費用がいくらになるかは次の2つでほぼ決まります。
- 従業員数(多いほど手続きも相談も増えるため)
- どこまで任せるか(相談だけか、手続きや給与計算まで任せるか)
かつては全国社会保険労務士会連合会が報酬基準を定めていましたが、2003年に廃止され、現在は各事務所が自由に料金を設定しています。そのため「決まった相場」は存在せず、事務所ごとに幅があります。
ただし、従業員数に応じて段階的に上がっていくという決まり方は、多くの事務所で共通しています。
顧問料の目安(当事務所の場合)
参考として、当事務所の料金を掲載します。表示はすべて税抜です(別途消費税がかかります)。
労務相談顧問(相談に応じる顧問契約)
| 従業員数 | 月額(税抜) |
| 〜49名 | 33,000円 |
| 50〜69名 | 44,000円 |
| 70〜99名 | 55,000円 |
| 100〜199名 | 66,000円 |
| 200〜299名 | 77,000円 |
| 300〜399名 | 88,000円 |
| 400〜499名 | 99,000円 |
| 500名〜 | 110,000円〜 |
手続代行(入退社や労働保険・社会保険の届出を任せる場合)
| 従業員数 | 月額(税抜) |
| 〜49名 | 27,500円 |
| 50〜59名 | 33,000円 |
| 60〜69名 | 38,500円 |
| 70〜79名 | 44,000円 |
| 80〜89名 | 49,500円 |
| 90〜99名 | 55,000円 |
| 100名〜 | 60,500円〜 |
給与計算代行
| 内容 | 料金(税抜) |
| 給与計算 | 1人あたり 1,000円 |
| 賞与計算 | 1人あたり 500円 |
金額だけでは比較できません
ここが最も大切な点です。
同じ「顧問料 月3万円」でも、その金額に何が含まれるかは契約によって異なります。
上の料金表をご覧いただくと分かるとおり、当事務所でも「労務相談顧問」と「手続代行」「給与計算」はそれぞれ別の料金です。これは当事務所に限った話ではなく、業務量が会社ごとに大きく違うため、分けて設定するのが一般的です。
つまり、「顧問料」という言葉が指す範囲が、見積書ごとに違うということです。金額を並べる前に、次の点を揃えて比べてください。
| 確認する点 | なぜ確認するか |
| 手続代行は含まれるか | 相談のみの契約であれば、入退社の届出は含まれません |
| 相談の回数や方法に制限はあるか | 「月◯回まで」「メールのみ」といった条件が付く場合があります |
| 誰が対応するか | 有資格者が対応するのか、事務職員が対応するのかで中身が変わります |
| 給与計算は含まれるか | 人数比例の料金になることが多く、顧問料とは分けて考える必要があります |
| 年度更新・算定基礎届は含まれるか | 年1回とはいえ作業量の大きい業務です |
| 助成金の申請は含まれるか | 着手金と成功報酬を組み合わせる形が一般的です |
見積書を比べるときは、金額の欄より先に「業務範囲」の欄を見てください。金額が低くても、自社に必要な業務が入っていなければ意味がありません。逆に高く見えても、必要な業務が一式含まれていれば割安ということもあります。
手続代行には「定額制」と「従量制」があります
| 体系 | 決まり方 |
| 定額制 | 従業員数に応じた月額固定 |
| 従量制 | 月額の基本料金+手続き1件ごとの料金(種類ごとに単価が決まっています) |
当事務所では両方を用意しており、契約時にどちらかをお選びいただきます。従量制の場合も、月額の基本料金はかかります。そのうえで、実際に発生した手続きの分が加算される形です。手続きの種類ごとの単価は一覧表にまとめ、契約書に添付します。
どちらが得か、という話ではありません。
当事務所のお客様で実際に比較したところ、年間を通して支払う総額は、どちらを選んでもほぼ同じになるケースがほとんどでした。手続きの件数は結局のところ従業員数に比例するためです。
違うのは、金額ではなく次の2点です。
納得感
従量制は「どの手続きを何件、いくらで依頼したか」が毎月はっきりします。手続きが少なかった月は、その分だけ費用も少なくなります。入退社の多い時期とそうでない時期の差が大きい会社では、この形が実態に合っていると感じられることが多いようです。
予算の立てやすさ
一方で、年度予算を先に組む会社では、月額固定のほうが管理しやすくなります。毎月の金額が動かないため、期の初めに年間の費用を確定できます。
どちらを選ぶかは、予算の取り方、手続きの発生の仕方(季節による波があるか)、従業員構成の特徴によって変わります。会社ごとに事情が違うため、「こちらのほうがおすすめです」と一律にお伝えできる性質のものではありません。
従量制を検討するときは、基本料金の有無を必ず確認してください。1件ごとの単価だけを見ると安く見えますが、多くの場合は月額の基本料金が別にかかります。当事務所の具体的な金額は料金一覧ページに掲載しています。
業務別の費用の考え方
顧問契約とは別に、単発で依頼できる業務もあります。
- 就業規則の作成・改訂:条文数や現行規程の状態によって変わります
- 人事制度コンサルティング:等級・評価・賃金のどこまで設計するかによります
- 助成金の申請:着手金と成功報酬を組み合わせる形が一般的です
- 退職金・企業年金の設計
これらは企業の状況によって作業量が大きく変わるため、一律の料金を示している事務所は多くありません。見積を取って比較することになります。
費用を抑えるには
1. 任せる範囲を絞る
すべてを任せる必要はありません。手続きは自社で行い、判断に迷う場面だけ相談する形にすれば、費用は抑えられます。
2. クラウドサービスを併用する
入退社の手続きや給与明細の配付をクラウド化すると、社労士に依頼する作業量自体が減ります。当事務所では次のような料金で提供しています。
| サービス | 料金(税抜) |
| オフィスステーション労務 | 1人あたり 300円 |
| オフィスステーション給与明細 | 1人あたり 50円 |
| オフィスステーション年末調整 | 1人あたり 500円 |
相場より高い・安いと感じたら
高いと感じたときは、含まれている業務を確認してください。手続代行や給与計算まで含んだ金額であれば、相談のみの契約と比べて高くなるのは当然です。
安いと感じたときも同じです。何が含まれていないかを確認してください。後から追加費用が発生し、結果的に高くつくことがあります。
また、労務トラブルが起きたときに対応してもらえるかは必ず確認してください。就業規則の不備や未払い残業の問題は、発生してからでは選択肢が限られます。顧問料は、その予防に対する費用でもあります。
まとめ
- 社労士の顧問料に公定の相場はありません(2003年に報酬基準が廃止されたため)
- 決まり方は従業員数と業務範囲。この2つで大枠が決まります
- 金額ではなく業務範囲で比較してください。同じ金額でも中身が違います
- 費用を抑えるには、任せる範囲を絞る/クラウドを併用する
当事務所の料金は、すべて料金一覧ページに掲載しています。従業員数をお伝えいただければ、お見積りをお出しします。

